筑波大学2016年スクールガイド
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144年生から~進路編~ 私は長野国立高等専門学校から、知識情報・図書館学類へ3年次編入しました。入学当初は本学類の特徴である文理融合型カリキュラムに衝撃を受けたのを覚えています。私のような情報学を志す人間が図書館建築について学んだり、司書志望の学生がプログラミングに勤しむといった光景は、本学類ならではといえます。もっとも文系・理系に関わらず、学問の根底にあるのは知識であり、これを幅広い観点から学び、一人ひとりが深めたいと思う専門領域を見つけられるところは、本学類最大の魅力でしょう。 現在、私は、情報アクセス論をテーマとするコンテンツ工学研究室に属しており、Twitter上のネットワーク形成支援に関する研究を行っています。卒業研究は、今まで学んできた知識を体現化する素晴らしい機会です。インプットを求められる高校(高専)までの勉強とは異なり、アウトプットの重要性、そして難しさを学べるのが卒業研究です。私自身も研究テーマの決定、研究計画の構築、研究実行、学会発表といった一連のプロセスを通して、知識を深めるとともに自身の足らない部分について再認識できたと思います。 そして卒業研究での反省を踏まえた上で、さらに研究を続けていきたいと考え、大学院図書館情報メディア研究科への進学を決めました。大学生になる前から、大学院進学をイメージするのはなかなか難しいかもしれません。それよりも大切なのは、4年間で自分が何を学び、何をしたいのかという目標を明確に持つことです。大学での4年間は、高校生の皆さんが想像する以上に短いものです(特に私は2年間だったのであっという間でした)。おそらくは入学前に掲げた目標の全てを達成することはできないでしょうし、新たにやりたいこともたくさん見つかると思います。そして卒業後の進路を考えたときに、まだ学び足りない、もっと知識を深めたいと感じるのであれば、そのときは是非大学院進学を考えてみてください。そのような学生にとって、大学院進学はとても魅力的な選択肢であり、間違いなく有意義な生活を送れることと思います。柘植 大 TSUGE Hiroshi(進学) 私は、司書として働きたいという思いを抱いて知識情報・図書館学類に入学しました。 学生生活の4年間は、本学類の多彩な講義で学ぶ傍ら、複数のサークル活動やアルバイトなどの課外活動にも取り組み、非常に充実したものとなりました。学類主催の海外研修に参加し、米国図書館を見て回るなど知見を広める機会にも恵まれました。こうした様々な経験が、進路を考える基盤になったと思っています。就職活動を進める中で、司書職だけでなく、多様な分野に携わることのできる公務員への興味も抱くようになりました。 司書職を含め公務員試験は、教養試験や専門試験を含む一次試験を突破できなければ、面接試験には辿り着けません。いくら学生生活が充実していようと、二次試験に進めなければ自分をPRする機会を得られないという厳しい現実があります。そのため、早めの試験対策が重要になります。知識情報・図書館学類には、他学類にはない学習環境が整っています。本学類生のみが受講できる「公務員試験準備講座(教養模擬試験)」では、2年次から実際の試験と同様の雰囲気の中で問題に取り組めました。ここでは、自分にどの程度実力がついたのかを知ることができます。また、図書館には一般教養の基本図書も揃えられており、自分のレベルに合った教材で学習を進めることが可能です。私は、国家行政職・地方行政職・司書職など多くの試験を受験しましたが、こうした試験対策によって確実に力がついていることを実感できました。その結果、大学図書館と都内自治体の上級行政職の内定を得、図書館に限らず多くの経験を積みたいとの思いから、後者を選択しました。 また、就職活動を始めるにあたって、あるいは試験が進んでいく中で、不安や迷いが生じることも少なからずあります。そのような時は、友人達に加えて、進路指導担当教員やキャリアアドバイザーの方に相談することも強くお勧めします。様々な学生の進路選択を支えてきた方々の意見は、納得や安心につながり、今一度、自分の就職活動を振り返るきっかけになります。また、同年代ばかりの大学のなかで、年長者ならではの意見を聞ける貴重な機会でもあります。 4年間の学生生活をどう過ごすかは、進路選択に大きな影響を与えます。進路選択において、本学類は非常に恵まれた環境にあると言えます。藤森 由紀子 FUJIMORI Yukiko(公務員)

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