筑波大学2019年スクールガイド
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 あなたは「知識情報・図書館学類」の何に惹かれてこのパンフレットを手に取りましたか。私はその名前でした。子供のころから本が大好きで、図書館に通い詰めていたからです。しかし、自分の進路について真剣に考える時期になったとき、私は、「図書館学」を学ぶことに不安を抱くようになりました。インターネットやスマートフォンが普及した現代、電車通勤の合間に本を読むサラリーマンが何人いるでしょうか。ゲーム機を放り出して読書に没頭する小学生は何人いるでしょうか。図書館について学ぶことは自分の今後の人生に本当に役立つのでしょうか。 本学類の学生となって2年が過ぎようとしている今、私は声を大にして言いたいです。はい。知識情報・図書館学類は、間違いなくあなたの今後の人生に貢献する学びを与えてくれます。 皆さんが本学類のことを、図書館について学ぶところ、図書館司書になるための場所と捉えているならば、それは少し間違っています。本学類は、図書館が長年務めてきた「知識を収集し、保存し、人々に公開する」役割について、包括的に学ぶ学類なのです。今日、その役割は個人のブログ、企業のデータベース、SNSなどにも及びます。つまり、スマートフォンを見つめる現代人、ゲームに夢中になる子供達も私たちの研究対象であるということです。「知識情報・図書館学」は私たちの未来に大きく関わる学問であると私は確信しています。情報社会で生き抜く術を学びたいと思ったら知識情報・図書館学類の門戸を叩いてください。16先輩から知識情報・図書館学類3年次平井 花朋 HIRAI Kaho(株)常陽銀行 知識情報・図書館学類卒内田 愛里香 UCHIDA Erika知識情報・図書館学類2年三浦 真帆 MIURA Maho 「知識情報・図書館学類って、結局何を学ぶところなんでしょうか?」 他学類の人だけでなく、この学類に入った後輩からもよくされる質問です。いつもなら同じ状況に陥ったことがある一人として、「わからないよね!」と笑い話にするところですが、今回は”先輩”という立場から少し真面目に回答してみようと思います。 この問いに答えるには、この学類にある3つの主専攻をまとめてみるとわかりやすいでしょう。『知識科学主専攻』では、社会において知識や情報がどう関わっているかを学習します。その中で知識とは本来何なのか、人々の知識はどのように作られるのかなども学びます。『知識情報システム主専攻』では、社会にある知識や情報を効率的に収集したり、活用したりするための技術を扱います。プログラミングのイメージが強い主専攻ですが、本の分類法について学ぶ授業もあります。『情報資源経営主専攻』では、蓄積された知識や情報をどのように保存し、必要とする人に提供するかを考えます。図書館の経営やコレクションについてはもちろんのこと、関連する法律や著作権に関することも学習します。 1,2年次の授業ではこれらの主専攻の基礎ともいえる内容を学びます。「図書館」にひかれて学類に入ってきた方の中には「図書館の授業があまり無くてがっかりだ」という人もいます。しかし多様な授業は、新たな興味が生まれるきっかけです。一見関連性のない授業の間に、意外なつながりが見えてくることもあります。大事なのは、この「学類」でなにを学べるかではなく、「あなた」が何を学びたいかです。ぜひ、知識情報そして図書館について、幅広く興味を持っていただければと思います。 筑波大学で過ごした2年間。この時間は、間違いなく今までの人生で最も密度の高い、最高の2年間でした。私が知識情報・図書館学類に編入して感じたことをお伝えしたいと思います。 筑波大学は、驚くほど編入生を快く受け入れてくれます。編入生のために歓迎会を開いてくれたり、サークルの新歓でも新入生と変わらず歓迎してくれます。編入生同士も大変仲が良く、試験前には勉強会を開いたり、試験の打ち上げをしたりと、共に過ごす時間が長く絆が深まりました。明確な目標があって編入してくる仲間達ばかりなので、授業や研究に対する思いが熱く、毎回刺激をもらえます。 履修する授業が多くて、毎日多忙な日々を送りますがサークルには是非入って欲しいです。知識情報・図書館学類は春日エリアでの授業が多く、普段の生活では他学類の学生と交流する機会が中々ありません。サークルでは、様々な専攻の人と出会い、交流し、多様な価値観に触れることができます。ここでできたネットワークは私の強みであり、将来的にずっと続く絆になると感じています。 4年生になると研究室に配属され、研究を進めていきます。研究室では,教員1人に対し、学生が1~3人と少人数であることから、活発な議論が繰り広げられ、互いの視野や知識をシェアし高め合うことができました。卒業研究では、教員の方々の専門領域が多岐に渡っていることから、幅広いテーマが展開されています。自分の興味のある研究に関し、一流の教員から指導をいただけるという最高の環境があります。研究室で、一生の恩師と切磋琢磨しあった仲間達に出会えたことは、私のかけがえのない財産となっています。 知識情報・図書館学類には、私が心から尊敬する人達が沢山います。大きな世界に飛び込み、さらに自分自身を成長させたいという志がある人にとっては最高の場所だと思います。

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